【インターハイ帯同報告】陸上競技大会で力を発揮するための食事・水分補給・コンディショニング

こんにちは!世田谷区豪徳寺のイーライフ鍼灸接骨院の遠藤です。

 

今回、私は2026730日から85日まで、滋賀県の平和堂HATOスタジアムで「第79回全国高等学校陸上競技対校選手権大会」が開催され、

メディカルトレーナーとしてサポートチームに帯同しました。

日本大学櫻丘高等学校の女子100m、明治大学付属八王子高等学校の男子400mと男子4×400mリレーをサポートしてきました。

 

今回の遠征に帯同した際の主なサポート内容は、

 

〇試合前後の身体のケア、コンディションの確認

テーピング

ウォーミングアップのアドバイス

食事や水分補給に関する助言

 

などです。

 

【大会に帯同するトレーナー】というと、「身体をほぐす」「テーピングを巻く」といったイメージが強いかもしれません。

しかし実際には、選手の身体の状態はもちろん、試合開始時刻や気温、競技間隔なども確認しながら、

ウォーミングアップや補食、水分補給まで含めた調整やアドバイスも行い、メディカルの立場から総合的にサポートしています。

 

その中で、鍼灸や手技によるケアが必要な場面もありますが、大会直前に何でもすべて行えばよいわけではありません。

選手本人の感覚や身体の状態を確認しながら、その日に力を発揮しやすい状態へ整えていくことが求められています。

 

今回はインターハイ史上初のナイター開催だったため、現地は予想していたよりも涼しく感じました。

それでも夏の大会であることに変わりはありません。レースまでの過ごし方や水分補給には、十分な注意が必要でした。

 

今回サポートした選手の結果

 

日本大学櫻丘高等学校】

〇女子100m:予選敗退

【明治大学付属八王子高等学校】

〇男子400m:予選敗退

男子4×400mリレー:準優勝

 

すべてのレースがうまくいったわけではありませんでしたが、女子100mの選手は、

自分の持っている力をしっかりと発揮でき、自己ベストに近いタイムで走れていました。

しかし、全国大会のレベルは非常に高く、予選通過には届きませんでした。

 

男子400mの選手は優勝候補の一人でしたが、本来の力を出し切れず、予選敗退となりました。

高い目標を持って準備してきただけに、本人にとって本当に悔しい結果だったと思います。

 

男子4×400mリレーは大会終盤に行われ、それまでの大会期間中にそれぞれいろいろなことがあった中で、

選手全員がしっかりと気持ちを高めて決勝に臨みました。

 

男子400mで悔しい結果となった選手も、そこから何とか気持ちを立て直し、リレーでは非常に良い走りを見せました。

チームは30854を記録し、東京都高校新記録を樹立。高校単独チーム歴代5位となるタイムで準優勝しました。

 

 

記録だけを見れば、大きな成果です。

しかし、優勝校の記録は30848。その差は、【わずか0.06秒。】

 

タイムを見ればほんのわずかですが、「悔しさ」は驚くほど大きく、

1位と2位にはこんなにも大きな差があるのだと感じさせられました。

 

サポートしているトレーナーがここまで悔しい思いをしているのですから、

選手たちの悔しさは想像を絶するものだと思います。

実際、選手たちはレース後1時間ほど泣いており、好記録を出した喜び以上に、

1位に届かなかった悔しさが強く表れていました。

 

私自身も、レース前は強い緊張とプレッシャーを感じていました。

ゴール後も正式な結果が出るまで気持ちが落ち着かず、準優勝が決まった瞬間には、

とても大きな悔しさがこみ上げてきて、「トレーナーとして、もっとできることがあったのではないか」という思いが残りました。

 

0.06秒という差を埋めるために、何ができるのか。」

 

日々の身体づくりだけでなく、大会当日のケア、ウォーミングアップ、食事、水分補給など、あらゆる面から改めて考える機会になりました。

 

大会中に食事が重要になる理由

 

今回、私が大会中に特に気になったのが、選手たちの食事です。

 

今大会は、インターハイで初めてのナイター開催でした。 

普段の大会とはレースまでの時間がかなり違います。

そうなると、「いつ、何を、どのくらい食べるか」も変えなければいけません。

 

ただ、ここで勘違いしてほしくないのが、大会直前に特別な物を食べれば急に速くなる、というわけではないことです。

 

まず大事なのは、普段の食事

 

普段から身体づくりに必要な食事を取ったうえで、大会当日は試合の時間やお腹の状態に合わせて、内容や量を調整します。

 

陸上競技の大会では、レース前に招集やウォーミングアップもありますよね。

レースの時間だけを見るのではなく、そこから逆算して食事や補食の時間を決める必要があります。

 

ここからは、「大会のときは何を食べたらいいの?」という疑問に、

私が普段選手たちへ伝えている内容を交えながらお答えしていきます。

 

大会前日の夜におすすめの食事

 

前日の夕食で迷ったら、食べ慣れた和食がおすすめです。

 

ご飯に、脂質の少ない魚や肉、野菜、汁物。このような組み合わせが選びやすいです。

反対に、揚げ物や脂の多いカレーなどは、人によっては翌日まで胃に残ってしまいます。

 

「明日勝つために、今日はカツカレー!」

 

大会前は縁起を担ぎたくなりますが、大切な試合の前日は、縁起よりもお腹の調子を優先しましょう。

食べる量も、苦しくなるまで詰め込まなくて大丈夫です。

 

腹八分目くらいを目安にして、できれば夕食から寝るまで23時間ほど空けておきたいところです。

もちろん、試合があるからといって、普段より極端に食事を減らす必要もありません。

昼食は試合時刻に合わせて調整する

 

昼食後に競技があるなら、一度にたくさん食べすぎないこともポイントです。

 68分目くらいを目安にして、満腹になることよりも、消化しやすいことを優先してください。

 

暑い日は、冷たいうどんやそうめん、果物、スポーツゼリー、スープなどが食べやすく、おすすめです。

食事と一緒に水分を取りやすいのも、おすすめのポイントです。

 

ただ、冷たい物でお腹を壊しやすい人には向かないので注意してください。 

もし競技まで時間があるなら、普段の食事に近い内容で大丈夫です。

 

反対に、時間があまりないなら、食べる量を減らして補食に切り替える。

こんなふうに、スタート時間から逆算して考えてみてください。

 

レース前の補食は時間と量がポイント

レース前の補食には、カステラ、バナナ、どら焼き、羊羹、スポーツゼリーなどが使いやすいです。

糖質を取りやすく、持ち運びやすいのもおすすめのポイントです。

 

レースの12時間前なら、食べ慣れたカステラやバナナ、小さめのどら焼き、羊羹などを少し食べます。

3060分前なら、固形物よりもスポーツゼリーなどの方が消化への負担が少なく、無駄なエネルギーを使わずに済みます。

運動中に固形物が残っていると、気持ち悪くなる原因になるので注意しましょう。

何を食べるかは、その日の食事量や競技時間を見ながら判断してください。

 

和菓子を中心におすすめしてきましたが、「和菓子なら何でも大丈夫」というわけでもありません。

商品によって脂質量が違うので、買うときに栄養成分表示を見て選んでください。

 

「和菓子だけだと物足りない」という選手には、魚肉ソーセージも選択肢になります。

 糖質を補う食品というより、たんぱく質を取りながら空腹感を抑えたいときに使いやすい食品です。

 ただ、お腹にたまりやすいので、レース直前よりも、競技まで時間があるときや競技後の補食に向いています。

脂質や塩分量も商品によって違うので、こちらも表示を確認してみてください。

 

もう一つ気をつけてほしいのが、100m400mなどの短距離競技では、

長時間競技と同じように大量の糖質を取り続ける必要はないということです。 

糖質は大切です。でも、たくさん食べれば食べるほど速く走れる、というわけではありません。

食べすぎには要注意です。

 

試合の合間の水分補給とプレクーリング

 

暑い大会では、水分や電解質、必要に応じた糖質の補給が欠かせません。

さらに、身体を冷やす工夫も必要です。

 

現場で取り入れやすいのが、アイスボックスなどの氷菓にスポーツドリンクを注ぐ方法です。

水分や糖質を取りながら、冷たい物で身体の内側からも冷やせます。

 

そして、意外と使いやすいのが「ガリガリ君」です。

一般的なアイスクリームには脂質が多い物もありますが、

ガリガリ君は脂質がほとんど含まれていません。そのため、水分と糖質を取りやすいです。 

ただし、商品によって栄養成分は違うので、表示は確認してくださいね。

 

このように、運動前に冷たい飲み物や氷状の物を取って、

事前に身体の中心部の温度が上がりすぎないようにする方法を「プレクーリング」と呼びます。

ただ、プレクーリングだけで熱中症を防げるわけではありません。

 

こまめな水分・電解質補給、休憩、日陰や冷房の利用、衣服の調整なども一緒に行ってください。

 

また冷たい物で腹痛が出る人や、お腹が冷えやすい人もいます。

大会当日にいきなり試すのではなく、必ず一度は練習で試して、

「自分のお腹は大丈夫か」を確認しておいてくださいね。

 

大会当日の夜ご飯

 

翌日も競技があるなら、使ったエネルギーや栄養を補いながら、

お腹に負担をかけすぎない食事を選びたいところです。

 

私のおすすめは、ご飯、焼き魚や煮魚、副菜、汁物がそろった和定食です。 

小鉢がいくつか付いている定食なら、野菜や海藻、大豆製品なども取りやすいですよ。

 

洋食が食べたいときは、クリーム系よりも脂質の少ないソースを使ったパスタなどが選びやすいです。

ただ、パスタだけで終わりにせず、サラダなどの野菜類も食べてください。

 

競技後の回復には、糖質だけでなく、たんぱく質や野菜も必要ですのでサラダや副菜も一緒に食べてくださいね。

 

遠征中に利用しやすい外食チェーン

 

遠征先では夕食が付いておらず、「さて、どこで食べよう」となることも多くあります。

そんなときに、私がまず探す外食チェーンはこちらです。

 

大戸屋

やよい軒

サイゼリヤ

おぼんdeごはん

松屋

すき家

吉野家

なか卯

丸亀製麺

 

見覚えのあるお店が多いと思います。地方に行った場合でもよく目にするお店ですので、

遠征先に行く前に宿舎の周辺を調べておくのがおすすめです。

 

ただし、「このお店なら何を食べても大丈夫」というわけではありません。 

同じお店でも、選ぶメニューによって脂質や食事の量はかなり変わります。

食べ慣れている物の中から、脂質が多すぎず、主食と主菜を取りやすい料理を選んでみてください。

 

大会期間中は控えたい食事

 

ここから紹介する物を、絶対に食べてはいけないわけではありません。

 ただ、大切な試合を控えているなら、

体調を崩すリスクを少しでも減らすために、できるだけ避けた方が無難です。

 

回転寿司などの生もの:加熱した料理と比べて、食中毒や体調不良のリスクがあるため、なるべく避けます。

ラーメンやハンバーガー類:商品によっては脂質が多く、胃もたれにつながることがあります。

焼肉:脂の多い部位や食べすぎによって、翌日まで胃が重くなることがあります。

 

どれもおいしいですし、食べたくなりますが、ここは少し我慢。

試合が終わった後の楽しみに取っておきましょう。

 

普段なら問題なく食べられる物でも、緊張や暑さ、

長時間の移動でお腹の状態が変わることがあります。

 

大会中は「今、食べたい物」だけでなく、

「食べ慣れていて、翌日に残りにくい物」を基準に選んでみてください。

まとめ

 

今回改めて感じたのは、大会で力を出すには、

身体のケアだけでは足りないということです。

ウォーミングアップ、食事、水分補給、暑さへの対策。

全部を含めて準備する必要があります。

 

大会期間中の食事は何か特別な食品に頼るのではなく、

普段から食べ慣れている物を、競技の時間やその日の体調に合わせて食べる。

 

ここを大切にしてください。

 

もちろん、年齢や体格、競技内容、お腹の状態、アレルギーなどによって、合う食事は変わります。

「自分にとって一番相性の良い食事」を見つけましょう。

 

当院では、大会前の食事やコンディショニングについてのアドバイスも行っています。 

「自分の場合はどうしたらいいの?」

そんなときは、遠慮なく聞いてください。

 

世田谷区豪徳寺のイーライフ鍼灸接骨院では、鍼灸や手技、運動療法などを組み合わせながら、

陸上競技をはじめとするスポーツ障害への対応やコンディショニングを行っています。

 

これからも、スポーツトレーナーとして現場で感じたことや学んだことは、

当院の施術に反映させていきたいと思います。